法務の樹海

法務、キャリア、司法修習などについて書きます。

司法修習備忘録③二回試験当日の行動

今日は、二回試験本番の様子を書いてみたいと思います。

 

 

1、会場への到着

 私の受験会場は新梅田研修センターでした。歩いて数分の地点にホテルがあったので、そこにずっと宿泊していました。楽は楽でしたが近すぎると気持ちの切り替えが効かない部分はあったかと思います。ということで会場にはすぐ着きます。

 

2、会場の設備

 普通の椅子に普通の机です。エレベーターは事前に申請した人しか使用できません。ちなみにトイレは各フロア1か所ずつあるのですが、大をする場所は各トイレに1つずつしかないので、会場に着くまでに出すものを出しておいた方が無難です。試験中、飲み物を買うことはできないので予め購入しておきましょう。後は特に何の特徴もない普通の試験会場です。

 

3、昼食

 1日目は近くのコンビニで買ったウィダーインゼリー・カロリーメートと、飲み物としてリボビタンD・お茶を持ち込みました。リボビタンDはブドウ糖とカフェインがドバっと入っているので、試験中に飲むと頭がすっきりする(ような気がする)ので、あらゆる試験の時に持ち込んでいます。ちなみに、飲み物は机の上に二つまで置くことができ、空になったらカバンの中に入れている新しい飲み物と交換することができます。あまりやっている人は見かけませんでしたが。

 

 2日目は、上記の食べ物では味気がなさ過ぎてお昼にテンションが下がってしまうので、大阪駅構内にあるパン屋さんでおいしそうなパンを買って、それとウィダーインゼリーを食べることにしました。炭水化物を食べると眠くなるのですが、少しでも楽しみを用意しておくことは辛く長い二回試験を乗り切る上で重要だと思っていたので、リスクをとることにしました。また、魔法瓶を用意し、その中にお昼に飲むコーヒーを入れることにしました。これで昼食は優雅にパンとコーヒーをいただくことができます。細かいところのクオリティを上げにいくのが私の人生のスタイルです。村上春樹の小説にでてくる人みたいで少し気持ち悪いですね笑。

 

 3日目以降は2日目と同様です。やはりおいしいものを食べるとリラックスした気持ちになるので、パンに切り替えたのは正解でした。周りの人は普通にコンビニのお弁当やおにぎりを食べたりしていました。

 

4、試験中のトイレ

 ほぼ1時間ごとにトイレに立っていました。多少周りの人に迷惑だったかもしれませんが、座りっぱなしで血流が悪くなると思考力も落ちる(ような気がする)ので、尿意がなくてもとりあえずトイレに行っていました。また、トイレに行くことで気持ちが少しリセットされるので、特に焦って何が何だか分からなくなってしまった人はとりあえずトイレに行って落ち着くのはお勧めです。素数を数えるのもいいかもしれません。

 

5、答案作成で気を付けていたこと

(1)問題文・記録読み

 問題文は5回ぐらいよんで線まで引きました。問題文を読み違えて書くべきところを落としてしまうと全然点数が付かない可能性があるからです。そのうえで、記録を読んでいきます。当然、答案構成を頭に描きながら読み進めていくのですが、二回試験の記録は「ほらほら、この事実ちゃんと使うんだよ?使えないってことは構成がちょっとおかしいんじゃないかい?もう一度考え直してごらん?」という声が聞こえるほど、親切な記録になっているように感じました。ですので、記録を読みながら「ああこの誘導に素直に従っておけば間違いないな」と思いつつ、重要な証拠と事実が記載されているところに付箋を貼っていきました。

(2)答案構成

 答案構成は短いものでお昼の12時ぐらい、長いもので14時くらいまでかけてやりました。構成はかなり細かいものを作り、何度も見直して問題文の要求と齟齬がないかを確認しました。また、訴訟物や公訴事実など、ド派手に間違えると即死するものについてはかなり丁寧に検討しました。ちなみに、検察起案で罪名がどうしてもわからないという場合は送致事実で書いておけばいいというしきたりがあります。

(3)起案

 いよいよ起案です。小問で明らかに書きやすいものがある場合はそちらを先に起案しました。答案用紙の入れ違いや差し込み忘れのリスクはありますが、そのリスクがあることを認識しておけば大丈夫だと判断しました。そしてメインの起案部分は初めの3ページを極めて丁寧に書くようにし、それ以降は時間を見ながら少し書き流すぐらいの気持ちで書きました。以前の記事にも書きましたが、ギリギリまで答案を作成し続けるというのは極めて危険な行為なので、できれば終了15分前、なんなら30分前には起案を終えるように心がけていました。なお、刑事弁護は早く終わりすぎて15時30分ぐらいに退室しました。

(4)形式チェック

 起案が終わると形式のチェックをします。表紙の受験番号と席順に誤りはないか、ページ数は記載されているか、綴りこみミスはないか、答案用紙の順番が前後していないか、といったところを確認します。ちなみに私は検察でページ数の記載ミスを見つけて少し焦りました(もっともページ数の記載ミスぐらいでは落ちないという噂はありました)。また、訴訟物等の記載で、原告・被告の記載入れ違いがないか、被疑者・被告人をAとした場合、最初に正しく「以下Aという」といった記載ができているかなどもチェックしました。私が一つ大きなミスとして発見したのは、民事弁護起案で主要事実の部分を訴外第三者のAとすべきところを、被告と記載していたというものです。冷汗が出ました。

 

6、その他

 以上のような感じで、それなりに神経質にテストを受けていました。要は、事故らないように普段より少し気を付けて行動すればいいということなんですが、加減が難しいのでついやりすぎになってしまいますね。おそらく、二回試験が行われるたびに、この記事が読まれることになると思いますが、他の人が書いた二回試験に関する記事などもさらっと読んで、主要なリスクを把握しておくのがいいんじゃないでしょうか。個人的には、下記の不合格体験記が痺れる内容でした。優秀でもテンパるとやばいという好例かもしれません。

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法律文書作成の基本  Legal Reasoning and Legal Writing

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