法務の樹海

71期弁護士が、法務、キャリア、司法修習などについて書きます。

司法修習備忘録②私の二回試験対策

前回、二回試験対策の記事を書きましたが、書きながら「確かに最小限のインプットとしてはこんな感じだが、実際司法修習中にやった具体的な二回試験対策の話がないと分かりにくいな」と思ったので、今回は私が実際に取り組んだ二回試験対策について書いていきたいと思います。99%受かるのでそこまで真剣にやる必要性があるかというと疑問ですが…

 

 

1、導入修習

特に何もしていませんが、講義は居眠りせず真面目に聞いていました。ノートはとっていません。この段階で起案講評のノートとっておけばもっと楽だった。

 

2、実務修習

 記録を隅から隅までしっかり読むこと、起案の機会があれば積極的に起案し、講評をもらうことは意識していました。

(1)記録読みについて

 修習生として当たり前といえば当たり前ですが記録はちゃんと読みました。二回試験・導入起案・集合収集起案、すべてに共通するのは、記録を読んで、問題文が求めていることを書くということです。そして、体感ですが、記録をしっかり読めれば、脳を使う作業は7割がた終わりといっていいと思います。要するに「記録を読む」というスキルのレベルを上げれば答案作成は楽になります。

 実務修習ではとんでもなく分厚く、さらに、そこまで整理され切っていない記録を山ほど読まされます。私は「色んな事件の記録をつまみ食いするより一つの事件の記録を色々な角度からじっくり読んだ方が記録を読む力が付きやすそう」と考えて、あまり多くの事件記録には手を出さず、起案の対象となった記録をかなりじっくり読みました。特に、証拠の中でもわかりにくいもの・読みにくいもの(数値データやカルテ・診断書)は理解できるまで重点的に読みました。

 上記のような意識で記録を読んでおいたことで、二回試験レベルの記録読みは全く苦痛ではなくなりました。

(2)起案

 特に裁判修習では起案が修習のメインになるので、結構本気でやりました。難しい課題をもらい、上記の通りじっくり考え、考え切ったところで起案をし、裁判官に酷評されるということを繰り返しました。これにより、自分の思考のゆがみをある程度客観的に把握することができるようになり、二回試験でド派手な失敗をするリスクをできたのではないかと思います。

 また、弁護修習では、民事弁護はそれほどでしたが、刑事弁護はいわゆる刑事弁護のフルコースの起案をやりました(認めの事件でそれほど複雑なものではありませんでしたが)。刑事弁護は、各手続きの書面を一度起案しておくと、条文と検討すべき事実がガツンと頭に入るので、できれば一通りはやっておきたいところです。

(3)反省

 実務修習中の起案は研修所の起案とは少し趣が異なるので、集合修習に入る前に、導入修習起案と即日起案の見直しをしておけば、集合修習起案をより実りのあるものにできたのではないかと思います。

 

3、集合修習

 各科目、起案とその講評をしっかり聞く以外のことはやっていません。各科目1回ずつの起案があるのですが、どれもヘビーでそれほど色々やる余裕もないし、何より集合修習中は同期の司法修習生と一緒に時間を過ごすことに最大のプライオリティを置いていたので、自学自習は少しおろそかにしていました。今となってはせめて2回目の起案をする前に、1回目の起案をもう一度やってみるぐらいのことはやった方がよかったかなと思います。なお、集合修習中盤から、二回試験に向けて何をやっておくべきかを考え始めていました。

 

4、選択修習

 起案と全く関係ない上にハードな事務所のプログラムを受講したこともあり、2週間は何もしていません。残りの期間は1週間は地元弁護士会のプログラムに参加していたので、実質ホームグラウンドでしっかり勉強したのは2.5週ぐらいです(A班の選択修習におけるホームグラウンド修習は二回試験の自習期間のようになっており、司法研修所はそのことについて快く思っていないことは付記しておきます)。この頃には下記のようなことをやりました。

  • ジレカン・類型別・新問研を2回ずつぐらい読む:教官に読めといわれたため
  • 要件事実30講の問題をすべて解く:上記はシンプルすぎるので、一応解説が分厚い要件事実30講は回しておくことにした。
  • 民事保全・民事執行の白表紙を通しで読んだ:不安だったので。
  • 事例研究 刑事法1の問題を全部解く:諸事情で刑法の構成要件がまともに思い出せない状況だったので、司法試験対策の時に使った問題集をもう一度解いて記憶喚起を図った。
  • プラ刑・プロ刑・刑事事実認定の起訴を2回ずつくらい読む:教官に読めと言われたため。

 上記をやる中で、集合修習起案でミスったところなどを思い出し「ああ、こう書いておけばもっといい評価が取れたのに…」とか思っていました。これは自分が見落としていた点を認識するという意味で、二回試験のリスク低減に大きく寄与したのではないかと思います。 

5、二回試験直前

 導入修習・集合修習の起案の見直し、再構成(記録はすでに回収されているのに一体どうやって再構成したんだ、などという疑問を持つ方は、近くの修習生に聞いてみて下さい)を全科目合計15通やりました。基本的には答案構成までで、不安が残るものだけは一部起案もやっています。これを一通りやったことで「ほぼ確実に二回試験に必要な知識と考え方は身についた」と実感しました。

6、まとめ

 振り返ってみるとなんだかんだで真面目に二回試験対策をしていることがわかりますね笑。私自身は上記をやったことで「まず間違いなく受かる」と確信したので、比較的安心して二回試験に臨むことはできました。今更ですが、客観的に見ても、大体これぐらいのことをやっておけば、二回試験で万に一つも逸脱行動をしないレベルには達するんじゃないかと思います。いずれにしても、二回試験は、導入~集合で自分がミスったところをきちんと修正して、同じタイプのミスをしないようにしていけば自ずと逸脱行動は起こさない仕様になっているので、司法修習生として最低限のことをやるというのがやはり一番の二回対策になるんじゃないでしょうか。

 

 

要件事実論30講 <第4版>

要件事実論30講 <第4版>