法務の樹海

法務、キャリア、司法修習などについて書きます。

CBPRってなんやねん

すっかり暖かくなって、という表現は少し変かもしれませんが、あっという間に2016年も半分が経過しつつあります。

 

正月にたてた目標は「頑張って働く」でしたが、今のところこれは達成できているので、下半期に新たな目標として「丁寧に仕事をする」というのをぶち上げたい(ぶち上げるほどのことでもないですが・・・)と思います。

 

1、CBPRについて

さて、表題ですが、CBPRってなんでしょう、という話です。端的に言うとAPECが決めた個人情報保護の認証制度です。

www.meti.go.jp

経産省の資料を見ると、「APEC 域内における企業等の越境個人情報保護に関する取組に対して、APEC プライバシー原則への適合性を認証するものです。」とあります。パッと見で「なに?何か規制的なアレ?」とかいろいろ疑問がわいてきますが、これって企業として対応マストなんでしょうかね、というのが一番気になるところです。

 

2、企業は対応しないといけないの?

結論、別に必要なし、というのが現状です。

このCBPRというのは、「ええ感じに個人情報管理しとるな~よしよし」とAPECが言ってくれるだけで、「よし、認証とったから○○を許可する!」というような効果はありません。何のための制度やねんという感じはしますよね。

 

3、日本の個人情報保護法との関係はどうなの?

これは何とも言えませんが、日本の個人情報保護法改正の議論の中で検討されている個人情報の越境移転に関する規制と、若干関係あるかなという気はします。ただ「CBPRとったから個人情報保護法の要請は満たしています」ということが言えるわけではないのは確実かと思います。

これは日本の個人情報保護法の改正動向を追いかけておく必要があるので、検討課題です。

 

4、それでも認証取りたいんだけどどうしたらいいの?

どうしてもとりたい人は、下記を参照してとりましょう。いまのところあんまり意味ないんじゃないかな~。内容をざっと見たところ、Pマークの審査基準のぬるい版のような感じなので、企業規模にもよりますが基準充足自体にはそれほどの労力は払わなくてよいのではないかというのが所感です。

CBPR認証審査要領 - 一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)

なお、大元のAPEC privacy frameworkは下記です。こちらはしっかりと読んでませんが、個人情報保護のルールとしては通り一遍の内容と思います。

http://www.apec.org/Groups/Committee-on-Trade-and-Investment/~/media/Files/Groups/ECSG/05_ecsg_privacyframewk.ashx

 

5、まとめ

アジア進出をもくろむ企業で、個人情報を取り扱う場合には、APECのルールに目配りするというよりも各国の法的規制に対応することを最優先に考えるべきでしょう。CBPRはいったんスルーでいいんじゃないでしょうか。

 

ということで、ザクッとした内容ですがこんな感じでいかがでしょうか。

ではでは。

 

 

 

 

司法試験受からなかった法科大学院生はどうやって就活すればいいのか

今日は司法試験に受からなかった法科大学院生がどうやって就職活動すればいいのか、これもまた実感ベースで適当に書きます。

 

1、普通にやったらあかん。

一般的な就職活動はリクナビマイナビに登録してエントリー、という感じだとおもいますが、これは効率悪いです。リクナビマイナビなどの新卒就活サイトは、文字通り新卒向けに作られているので、既卒のロー生はメインターゲットではありません。ゆえに、既卒ロー生がこの土俵で戦うと苦戦を強いられます。

 

2、エージェント使うのはどうか

そこで、パソナとかリクルートエージェントとか、中途採用のエージェントを使うのが一般的になりつつあるのが現状だと思います。色々とアドバイス受けながら案件を紹介してもらうという形ですね。ただ、エージェントたちは、どこに就職させるかということよりも、どこでもいいからとりあえず就職させて案件をクローズさせ、売上を立てるということがゴールになるので、往々にしてこちらの意図とずれた案件を紹介したりすることがある点が鬱陶しいです。有用ですが個人的にエージェントは嫌いです笑。

 

3、エージェントなしの中途就活サイトはどうか

リクナビNEXTや、Green、wantedlyなどは、エージェントなしで中途就活ができるサイトです。求人内容は玉石混交、エージェントが嫌いで、かつ、面接日程・給与交渉等を自律的に行うことができる人にとっては、そこそこ快適です。個人的にはおすすめ。

 

4、友人・知人の紹介

私のイチオシはこれです。親や友人のコネで就活するのは最強です。ある程度企業の様子も分かりますし、入った後も何かと面倒を見てもらいやすいです。ただし、仕事を辞める時などはちょっと面倒かもしれません。

 

5、結論

結論としては、「いろいろやり方はあるので、一つの方法にこだわらずに、どんどん試せばよい」という感じになります。積極的に活動していればその内うまくいくので(というかそう思わないとやってられないので)、足を止めずに行動するのが大切です。

 

※ちなみに私の友人の就職パターンで一番多いのは2のエージェント使用でした。

 

 

 

 

 

法科大学院生の就職活動について

今日は法科大学院生の就職活動について、書きたいと思います。この記事が読まれる時期は決まっています。そう、司法試験の前後2−3ヶ月です。私にはこの記事を読んでいる皆さんが何を考えているか、手に取るようにわかります。なぜなら私も一人の受験生だったからです笑。

 

さて、弁護士の就職難だの、司法試験に受からなかった法科大学院生はどうしようもないだのといった意見が散見されますが、実体としてはどんなな感じなのか、実感ベースで書いていきます。結論から言うと、「いうほど悪い状況じゃないんじゃないの?」という話しです。なお、2015年の日付の記事ですが2018年4月15日に更新しています。

 

1、仕事があるかどうかは景気次第だ

当たり前のことですが景気が良ければ就職は余裕です。逆もしかりです。2018年4月現在では、実感ですが景気はそこそこといったところなので、外部環境としてはそう悪くないのではないでしょうか。なんやかんやこのトレンドはもう少し続くのではないかと思います。ただし、日本経済全体のパイは徐々に縮小していっているというところは要注意です。今後は全体的に厳しくなっていくんじゃないでしょうか。(2018年4月現在ではもう2−3年は大丈夫なんじゃないかと思い始めています。理由は色々とありますが、実感ベースで「全体的に人が足りてない」感じがします)。

 

2、司法試験に受からなかった法科大学院生の就職を左右する要素

前提として、就職とは、企業の正社員として雇用されること、と定義します。

このカテゴリーの人の就職が上手くいくか行かないかは、①年齢、②卒業大学、③コミュニケーションスキル、④パーソナリティの4つの要素で決まると思います。これも当たり前といえば当たり前ですね。

 ①年齢

まず年齢については、今の外部環境を前提とするなら、20代前半~中盤は余裕、30歳までなんとかOK、30歳以降は③④のファクターでかなり頑張らなければいけない感じです。

 

 ②卒業大学

次に卒業大学については、学部卒と一緒で、地方国立・March関関同立早慶上智・旧帝<京大<東大、という感じで一番左でニュートラル評価、右に行くほどプラス評価という感じです。ただ、正直このファクターあんまり重視されてないんじゃないのと思います。

 

③コミュニケーション能力 

そして言わずもがなの③。一般的に言われている通り、コミュニケーションがちゃんと取れるかは極めて重要です。AやれといわれてBやっちゃう人は、組織では良いパフォーマンス上げられません。まずはマシーンのように言われたことを正確に把握して実現することが重要です。空気を読み、忖度し、相手の期待値を常に上回る仕事をするのは次の段階です。

 

④パーソナリティ 

そして④のパーソナリティ、これはボディーブローのように効いてくる要素です。上昇志向が強いとか、ライフワークバランス重視とか、そういった仕事に対するモノの考え方というところです。ココが輝いていると、①②がダメでもサクッと採ってもらえることがあります。ただし④を伝えるためには③は必須要素です。

 

だいたい以上4つの要素の組み合わせで、就職の決まりやすさが決定します。なので、「法科大学院生の就職は大変」とざっくりくくるのはちょっとどうかということになります。ただ、一般的な法科大学院生が持っている要素が、20代中盤から後半、学歴関関同立March以上、コミュニケーション能力は普通~高い、やや保守的なパーソナリティー、といった具合に仮定できるなら、法科大学院生は就職戦線でビハインドを取ることはないはずです。

 

コミュニケーション能力が低いかパーソナリティがアレな人はどうしたらいいのか?ビジネス書を何冊か読んでちょっとでもマシになるように努力するか、そのまま突っ走りましょう。改善せずに自分丸出しで活動すると結構大変ですが、そっちの方が人生楽しい気もします。

 

仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?

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4、司法試験合格者について

企業就職については、はっきりいって楽勝です。就職難とか完全に嘘です。司法試験合格の資格でブーストされることにより、書類選考は全通、面接で③④問われるだけという感じです。待遇については私が見ていた限りでは350~600ぐらい、中央値は450ぐらいなんじゃないでしょうか。繰り返しますがこのカテゴリーが就職難というのは実態を知らないナンセンスな意見です。ついでに言うと2018年時点では年収の期待値もかなり上昇傾向です。強気に700万円ぐらい要求してもくれるところはくれます。もはや細かく書く価値すらありません。

 

5、結論

法科大学院卒だけなら場合によるが一般的には就職戦線ではビハインドはなく、司法試験合格者については全く問題なし、というのが結論です。というわけで現在法科大学院に在学中の方は、景気が悪化しないことを祈りつつ、元気に勉強しておけば問題なしです。

 

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