法務の樹海

司法試験合格後、企業法務の世界に飛び込んだ新米法務担当者が、思ったことを思ったまま書き綴りながら、法務の樹海に迷い込みます。

法科大学院生の就職活動について

今日は法科大学院生の就職活動について、書きたいと思います。

弁護士の就職難だの、司法試験に受からなかった法科大学院生はどうしようもないだのといった意見が散見されますが、実体としてはどんなな感じなのか、実感ベースで書いていきます。結論から言うと、「いうほど悪い状況じゃないんじゃないの?」という話しです。以下ざざっと思うことを書いていきます。

 

1、仕事があるかどうかは景気次第だ

当たり前のことですが景気が良ければ就職も余裕というところは押さえないといけません。逆もしかりです。2015年1月現在では、実感ですが景気はそこそこといったところなので、外部環境としてはそう悪くないのではないでしょうか。ただし、日本経済全体のパイは徐々に縮小していっているというところは要注意です。今後は全体的に厳しくなっていくんじゃないでしょうか。

 

2、司法試験に受からなかった法科大学院生の就職

前提として、就職とは、企業の正社員として雇用されること、と定義します。

このカテゴリーの人の就職が上手くいくか行かないかは、①年齢、②卒業大学、③コミュニケーションスキル、④パーソナリティの4つの要素で決まると思います。これも当たり前といえば当たり前ですね。

 

まず年齢については、今の外部環境を前提とするなら、20代前半~中盤は余裕、30歳までなんとかOK、30歳以降は③④のファクターでかなり頑張らなければいけない感じです。

 

次に卒業大学については、学部卒と一緒で、地方国立・March関関同立早慶上智・旧帝<京大<東大、という感じで一番左でニュートラル評価、右に行くほどプラス評価という感じです。ただ、正直このファクターあんまり重視されてないんじゃないのと思います。

 

そして言わずもがなの③。一般的に言われている通り、コミュニケーションがちゃんと取れるかは極めて重要です。AやれといわれてBやっちゃう人は、組織では良いパフォーマンス上げられないので。

 

そして④のパーソナリティ、これはボディーブローのように効いてくる要素です。上昇志向が強いとか、ライフワークバランス重視とか、そういった仕事に対するモノの考え方というところです。ココが輝いていると、①②がダメでもサクッと採ってもらえることがあります。ただし④を伝えるためには③は必須要素です。

 

だいたい以上4つの要素の組み合わせで、就職の決まりやすさが決定します。なので、「法科大学院生の就職は大変」とざっくりくくるのはちょっとどうかということになります。ただ、一般的な法科大学院生が持っている要素が、20代中盤から後半、学歴関関同立March以上、コミュニケーション能力は普通~高い、やや保守的なパーソナリティー、といった具合に仮定できるなら、法科大学院生は就職戦線でビハインドを取ることはないはずです。

 

4、司法試験合格者について

企業就職については、はっきりいって楽勝です。就職難とか完全に嘘です。司法試験合格の資格でブーストされることにより、書類選考は全通、面接で③④問われるだけという感じです。待遇については私が見ていた限りでは350~600ぐらい、中央値は450ぐらいなんじゃないでしょうか。繰り返しますがこのカテゴリーが就職難というのは実態を知らないナンセンスな意見です。

 

5、結論

法科大学院卒だけなら場合によるが一般的には就職戦線ではビハインドはなく、司法試験合格者については全く問題なし、というのが結論です。というわけで現在法科大学院に在学中の方は、景気が悪化しないことを祈りつつ、元気に勉強しておけば問題なしです。

 

 

 

 

芥川賞と直木賞

さて、遅ればせながら芥川賞直木賞の感想を書いてみる。芥川賞にはピース又吉氏の「火花」、羽田圭介氏の「スクラップアンドビルド」、直木賞には東山彰良氏の「流」がそれぞれ選ばれた。一応、3作品とも読んだが、それぞれ中々面白い作品だった。以下、ざっくりと感想を書いていきたいと思う。若干のネタバレを含むので未読の方は注意されたい。

ーーーーーーーーーーーー

1、「火花」

 売れない漫才師の徳山が、これまた売れない漫才師だが独自の哲学を徹底的に貫く神谷に惹かれ、行動をともにしながら、自分の漫才とそして人生に向き合っていく姿を描いた作品。徳山と神谷の極めてウェットな関係性をどう感じるかが、この作品を楽しめるかどうかの分水嶺だろう。個人的にはあまり好きな作品ではない。ただし、又吉氏の小説に対する実直な思いが伝わってくるところは好印象。

 

2、スクラップアンドビルド

 主人公の健人が、要介護状態にある祖父を、やたらとポジティブな方法で緩慢に弱らせていこうとする話。自分自身は筋トレをして体を鍛えながら、ヨボヨボの祖父を弱らせることに必死になる姿はどこかユーモラスで、テーマ自体はそれほど明るくないにも関わらず最後まで楽しむことができた。選者も指摘しているが、このあたりのバランス感覚が羽田氏の筆力を物語っている。

 

3、流

 国民党の烈士を祖父に持つ主人公の葉秋生が、その祖父の衝撃的な死を経験しながら、暴力・友情・愛情がぐちゃぐちゃに入り混じった濃厚な青春を走り抜ける話。今回紹介する3作品の中では最も面白く読むことができた。第二次世界大戦以降の台湾を舞台にした作品であり、アジア独特の熱気がうまく描かれているところが特に良い。また、台湾人の日本や中国に対するメンタリティの一部を垣間見ることができ、「台湾は親日」というステレオタイプなものの見方が、いかに一面的で薄っぺらいものなのかを突き付けてくる面もある。もちろん、本作品はフィクションではあるが、作者が台湾出身であることに鑑みれば、本作の描写は真実の一面を正確にとらえているのではないかと思う。いずれにせよ、私はこの作品が好きである。

ーーーーーーーーーーーー

 ということで本当にざっくりだが感想を書いた。初めにも書いた通り、以上三つの作品はそれぞれに読ませるところがあり、一読の価値はあると思う。ただ、これらの作品が時代を超えて読み継がれるほどの強度を有しているかと言われると、その点については疑問とせざるを得ない。「火花」や「流」は表現にやや拙い部分があるし、「スクラップアンドビルド」は技術力は高いが人の心に訴えかけるような強いメッセージがないと感じた。芥川賞にしても直木賞にしても、営利企業がPR目的でやっているので、後世に残るだどうだと言うのはある意味ナンセンスだが、折角なら時代や場所を超えて多くの人の心に深く突き刺さるような強烈な作品を選んで欲しいところである。

 

 

 

法曹の質は低下しているのか?

blogos.com

この記事の中にも「質」という言葉が何回か出てきていますが、私は「新制度になって法曹の質が低下した」という主張には疑問を抱いています。結論からいうと、新制度の下に誕生した法曹と、旧制度の下の法曹を比較し、前者の質が後者を下回るということを示すのは非常に難しいと考えます。なぜなら、法曹の「質」を定義し、評価するための合理的な基準を設定することができないからです。

 

1、法曹の質は誰が評価するのか

そもそも質とは何なのでしょうか。まず、評価の主体が問題です。果たして法曹の質は誰が評価するのでしょうか?同業者・行政機関(文部科学省法務省)・企業・個人、様々考えられます。この点については、法曹がサービス業であることから、評価者は法曹の「顧客」であるとするのが適切であると私は考えます。つまり、顧客満足度が法曹の質の評価基準とされるべきだ、ということです。

 

2、顧客満足度を一定の基準に落とし込むことができるのか

では、顧客が質を評価するとして、それを一定の基準に落とし込むことができるのでしょうか。おそらくこれは困難です。個別の組織・事務所が、一定のファクターを決め、顧客にアンケートを取り、満足度を数値化することは可能かもしれませんが、この方法を法曹全体に水平展開するのは事実上不可能です。

従って、顧客の満足度を測定するためには、何らかの代替指標が必要になります。代替指標としては、次の三つが考えられます。

①司法試験競争倍率

二回試験不合格率

③懲戒件数

この中で、顧客満足度と最も関連性があるのは、③の懲戒件数であると考えられますが、懲戒が行われるのが逸脱的なケースであることを考えると、これを用いることはややためらわれます(なお、③については新制度下の弁護士と、旧制度下の弁護士との間で有意な差はなかったと記憶しています)。①②についてはこれらの数値が、顧客満足度を表しているとまでは言えないでしょう。

このように、顧客満足度そのものを測定するのは難しい以上、何らかの代替指標を用いることが必要になるが、その代替指標を設定するのもまた困難、というのが現状かと思います。

 

3、まとめ

ということで、雑な議論ではありますが、私見としては「法曹の質」の判断は難しく、従って、新制度下の法曹の質と旧制度下の法曹の質を比較するのもまた困難、と考えます。「要求仕様が決まっていて、それに外れたら品質を満たしていない」という議論ができればよいのですが、そう一筋縄ではいかないのが専門的サービスの難しさといえるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

1、

攻殻機動隊新劇場版

初エントリーにしていきなり法務関係なしという笑

 

攻殻機動隊シリーズは結構好きで、新作がTVやらなんやらでやる度に見ています。

余談ですが、攻殻機動隊を見始めたのは、ある外国人に

攻殻機動隊は最高だよ!?日本人なのに見てないの?信じられない!」

といわれたのがきっかけでした。

外国人にウケる作品は総じて面白い、というのが僕の今までの経験でしたので、とりあえず見始めたらまあまあハマってしまったというところです。

 

さて、今回の攻殻機動隊新劇場版、総理大臣が爆弾でぶっ飛ばされるという素敵な事件からお話が始まります。犯人を追いかける中で少佐の出生の秘密なんかも若干明らかになったり。

 

まあ全般的には面白い部類に入る映画だったと思いますが、ちょっと途中うとうとしてしまったのも事実。ややこしい単語とかが出てくると最近眠たくなるんですよね。だんだんバカになってきているのかな。

ストーリーも緩急があるというか、一部冗長な部分もあって、ボケた頭で見るにはややハードルが高かったかなという気がします。レンタルDVDが出たら復習の必要ありって感じですね。

 

まあなんというか、映画は元気なときに見ないとダメですね。

今回はこんだけです。特に感動を覚えたわけではないので意外と書くことなかったです。ではではまた逢う日まで。